周波数による楽しみ方

周波数による楽しみ方

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周波数の違い

無線を楽しむに当たって、是非知っておきたいのが「周波数」についてです。
周波数というのは電波が飛んでいる帯域のことを指しており、どの無線帯域を利用するのかによって無線の楽しみ方というのはかなり違っています。
そこでここでは、いくつかの帯域に分類し、それぞれの周波数でどのような楽しみ方をすることが出来るのか紹介します。

まず最初に、HF帯と呼ばれる帯域についてです。
単純に短波とよばれることもあります。
具体的には3から30メガヘルツの電波のことを指しています。

この帯域のなかにもいくつかの分類があり、それぞれ使い方が違っています。
1.9メガヘルツバンドとよばれる帯域は、3級以上の無線資格で利用することができます。
夜間から早朝にかけて電離層反射伝搬というものが行われるのが特徴で、遠くの電波が受信しやすくなります。
主に夜間の長距離受信で利用されています。

3.5メガヘルツバンドは、長いアンテナを必要とするなど、都市部では利用しにくい帯域となっています。
広い場所であれば十分活用することが出来るため、屋外での電波送受信などを行っている例も少なくありません。
海外交信を行なうことも出来る帯域で、こちらも夜間に良く飛ぶ電波として知られています。
4級資格で利用することができます。

HF帯において高いレベルの資格が必要になるのは10メガヘルツバンドと14メガヘルツバンドとよばれる帯域です。
これらの帯域を利用するためには2級以上の資格が必要となります。
前者はバンドの帯域自体が狭い変わりに遠距離交信に優れているというのが特徴です。
後者は海外配信に非常に良く使われており、現在でも簡単に送受信が行えるバンドとなっています。

VHF,UHF

次に、VHF帯と呼ばれる帯域について紹介します。
こちらも単純に超短波とよばれることもあります。
この帯域に属しているのは50メガヘルツバンドと144メガヘルツバンドの2つだけで、両者とも4級資格で利用することが出来るということから初心者でも利用しやすい帯域となっています。

50メガヘルツバンドは見通し伝搬で利用されることが多い帯域です。
つまり、長距離への伝搬には優れていないということです。
ただ、これには例外があり、太陽活動の状況によって異常伝搬が発生することがあります。
これによって、本来であれば絶対に届かないような、南太平洋などと交信が突然行えるようなこともある、アクシデントを楽しめる帯域となっています。

144メガヘルツバンドは、現在アマチュア無線として最も多くの人に利用されている帯域です。
それほど高性能なアンテナがなくともそれなりに受信することが出来るため、簡単に始める事ができてしまいます。
また、衛星通信用に利用されることもあり、アップリンクに利用されています。

最後に、UHF帯域について紹介します。
VHFよりもさらに短い波長の電波がこれにあたります。
基本的に電波は周波が短いほど遠くには飛ばなかったり、融通が聞かないようになっているため、短距離で楽しむことになります。
この周波数の帯域はいずれも4級資格で利用することができます。

代表的な帯域の1つが430メガヘルツバンドです。
この帯域はご近所との交信、といったような、電話代わりのおしゃべり用に用いられることが多くなっています。
ただ、特殊な使い方として、衛星通信のダウンリンクに利用されているという特徴があり、144メガヘルツバンドとあわせて衛星通信に利用されます。

もう1つは1200メガヘルツバンドです。
直進性が高いために山岳反射やビル反射などを起こしやすく、状況によって電波の飛び具合が大きく変化するというデリケートな無線帯域となっています。
これが逆に自分で無線機の調節を行なう人たちには人気が高く、交信ではなく実験を中心に無線を楽しみたい人にはたまらない不安定さとなっています。

ちなみに、これ以上の周波数となると、対応している無線機が販売されていません。
そうなると自分で作成した無線機を利用する必要があるため、利用のハードルはかなり高くなります。
ただし、実験無線として利用する場合には無限の可能性を秘めている帯域でもあるでしょう。

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