月面反射通信

無線を楽しむ 月面反射通信 はコメントを受け付けていません

電波を発射させて月面反射通信を行う

月にアンテナを向けて通信していく月面反射通信というのは、地上におけるそれぞれの無線局によって電波を発射していきます。
反射を活用していく通信となりますが、利用する電波については微弱でドップラー効果もあります。

さらに月では地球と同じように自転や公転で移動をしていきますので、通信を行わない電波天文学と比較して、非常に大がかりな設備となっていきます。
アマチュア無線で活用されている月面反射通信は事業用通信としては実用性がありません。

その技術を見ていくと、月面の反射係数は非常に低くなっています。
最大で12パーセント、通常でも7パーセント程度となっています。

さらに往復でおよそ77万キロ以上となる極端な経路損失もあります。
空中線の電力を見ていくと100ワット以上となる送信機や高感度である受信機、そしてスタックしている状態のアンテナなどを必要としていきます。

月面反射通信の通信方法や特質を知る

月面反射通信の通信方法や特質をみていくと、従来のCQ呼出しを利用しているのではなく、スケジュールQSOとなっています。
減衰が激しくなっているために、EME通信で専用となっているモールス符号が活用されています。

EMEによって許可している周波数帯をみていくと、総務省が告示しているアマチュア業務で利用されている電波の型式や周波数でなければなりません。
様々な周波数がありますが、状況によって月面反射通信を行うことになります。

その基準は総務省訓令であり、電波防護計算書などを提出したり予備免許を受けていきながら電波障害が近隣で行われないかチェックすることで月面反射通信が可能となります。
準備期間も月面反射通信にはかかるということです。

月面反射通信の歴史

1930年代にアメリカで注目された月面反射通信ですが、長い研究の中でノイズが星空のあたりで最大となっていることが判明しました。
地球から電波を飛ばしていくのは、当時の常識からかけ離れた状態であり、学会でも注目されることはありませんでした。
ただアマチュア無線家において追跡して観測していったところ、宇宙から飛来した通信であることを確認したのです。

そこから月面反射通信の本格的な通信について研究が進んでいきます。
さらに観測機器も徐々に進歩していき、電波における本格的な理論が打ち出されていきます。

アマチュア無線で通信が本格的に成功したのが1960年代で、そこから様々なところで月面反射通信におけるビジネスを展開していきます。
最近では2007年、日本のアンテナを利用してアマチュア無線局間で月面反射通信を成功させることができました。
今後も月面反射通信の研究は進められていくことでしょう。

Related Articles

Back to Top